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検証-韓民族選民大叙事詩 - 天孫思想とメシア待望の歴史

◯徒然日誌(令和7年1月22日)  検証-韓民族選民大叙事詩 - 天孫思想とメシア待望の歴史

 

わたしたちは喜び楽しみ、神をあがめまつろう。小羊の婚姻の時がきて、花嫁はその用意をしたからである。彼女は、光り輝く、汚れのない麻布の衣を着ることを許された。それから、御使はわたしに言った、「書きしるせ。小羊の婚宴に招かれた者は、さいわいである」(黙示録19.7~9)

 

プロローグ 

 

1月20日(日本時間21日午前2時)、ドナルド・トランプは47代アメリカ大統領に就任した。筆者はトランプの大統領就任を心から歓迎する。就任式はワシントンの連邦議会議事堂で行われ、歴代の大統領らが参列した。連邦最高裁長官の言葉に合わせて、トランプは厳かに宣誓し、建国精神と憲法が謳う価値、即ち、自由、民主、法の下の平等、そして法の支配を守ることを固く誓った。寄り添ったメラニア夫人の両手には、トランプが母から譲り受けた聖書とリンカーン第16代大統領が宣誓に用いた聖書の2冊の聖書がしっかり握られていた。 



就任式では、カトリックのティモシー・ドラン枢機卿、フランクリン・グラハム牧師、ユダヤ教のラビがらが祈りを捧げ、神にトランプ大統領と国への加護を求めた。またトランプの宗教顧問の ポーラ・ホワイト牧師をはじめ、選りすぐりの宗教指導者が列席した。そしてトランプ大統領は演説の中で、自分は暗殺者の弾丸から神によって救われたが、それはアメリカを再び偉大にするためだとし、「私には夢がある」と語ったキング牧師の言葉を引用して、彼の夢を実現させると誓った。 

 

トランプ大統領が、バビロン捕囚からイスラエルを解放したペルシャのクロス王のごとく、世界で、特に共産圏において、信仰の自由を弾圧されている全ての宗教者を解放することを切に期待し祈念する。そして日本においてさえ政府による宗教弾圧が行われ、UCの解散請求はその象徴である。トランプ大統領の宗教顧問として、トランプに絶大な影響を持つポーラ・ホワイト牧師は、「国際宗教自由連合」(ICRF)日本委員会の巡回講演会でビデオメッセージを送り、日本における信教の自由について、「世界中で深刻な懸念を引き起こしている」と警告した。 

 

【韓民族選民大叙事詩セミナーに参加して】 

 

さて、筆者はこの1月16日、青葉台家庭教会で開かれた「韓民族選民大叙事詩」(以下、「叙事詩」と呼ぶ)のセミナー(ネット配信)に参加した。多少、仰々しいと思える表題だったので、またマスコミ沙汰にならなければいいがと、心配と期待が入り交じる気持ちで受講した。筆者の感想コメントが欲しいとの信徒のリクエストもあり、今回、当該講座内容について、率直に筆者の感想を述べることにする。 

 

鮮文大学教授らによる今回の5講座及びレジメを要約すれば、真の父母を顕現させた選民としての天孫思想や待望思想など韓国歴史のアベル史(明の歴史)が縷々述べられ、この歴史的な再臨のメシア待望思想と初臨の独り娘待望思想が、文鮮明先生と韓鶴子女史の誕生によって成就し、「真の父母の顕現」(1960年4月11日の聖婚)によって完結したというものであり、特に真のお母様に焦点をあてたものである。再臨のメシア(文鮮明先生)の誕生については、既に「真の御父母様の生涯路程」などで詳細に述べられていることもあり、今回は専ら「独り娘誕生」の民族的、キリスト教的、国家・世界的基台について語られた。 


かくしてイスラエルがイエス・キリストを生み出したことで選民としての役割を果たしたように、韓民族は、真の父母を生み出したことにより選民としての役割を果たした。そしてこの聖婚以後は、祝福家庭が選民であると位置付けられた。 

 

筆者は、昨年7月11日・12日、青葉台家庭教会で開催された「真の父母論」2日セミナー(ネット配信)に参加し、真の父母論6講座を受講したが、「徒然日誌」(令和6年7月17日 真の父母論の検証)の中で、「筆者の率直な印象は、良きにつけ悪しきにつけ、これは『真の父母論』というより『真の母論』といった方が的を得ている」との感想を述べたが、今回も真の母、即ち独り娘誕生に重点をおいた内容であった。これは、真のお父様(文鮮明先生)の聖和以後、地上における摂理の牽引は、専ら真のお母様、即ち韓鶴子女史に委ねられているからだと思料する。叙事詩の趣旨には、「韓民族の歴史を通して、天の父母様と独り娘・真のお母様を中心とする摂理の真実を公表し、天一国時代の開門と安着摂理を教育し実体化する」(レジメ)との記載があり、再臨のメシア・真のお父様の文言はなかった。 

 

しかし、後半、講師の口から、「再臨のメシア・真のお父様」という言葉が三回出てきたこと、前回の「真の父母論」講座において語られた、再臨のメシアが「メシアになる使命(可能性)を持って誕生された」などという再臨主原罪誕生論の悪夢を彷彿させる言葉が一切なく、再臨のメシア待望と初臨の独り娘待望がペアとして語られたので、筆者は大いに安堵した。そして、「創造の原則により、独り子が誕生したならば、独り娘が誕生しなければなりません」とのお母様のみ言が紹介され、そして「独り娘を迎えるための啓示と準備」というタイトルのレジメ冒頭に掲載された次のみ言がこれを裏付けている。 

 

「再臨主はイエス様が果たせなかった神様の復帰摂理の根本を完成するためにこられます。すなわち、創造理想を完成すべき真なる本然の赤ん坊の種として来て、神様の真の愛、真の生命、真の血統の根源になる真の父母の理想を完成するためにこられます。彼は既にイエスの時まで神側が勝利した根本摂理の土台の上に臨在されます。すなわち、イエス様が大人になられる時までの勝利的な基盤の上に真っすぐ立たれて、彼が果たせなかった新婦を探し、真の父母になられ、万民を救ってくださるのです」(救援摂理史の原理観)

 

即ち、三人目のアダム(再臨主)が堕落前の立場で来て、堕落していないエバを探し出して、子羊の宴会をし、人類の父母となるというのである。(「祝福家庭と理想天国」(1)P584~585)

 

以下、叙事詩の内容の骨子について、筆者の見解を加えつつ検証する。 

 

【韓民族選民大叙事詩の骨子】 

 

当該、韓民族選民大叙事詩の講義は鮮文大学教授らの4人の講師によって、計5講座行われた。本山勝一兄弟の司会のもとに進行し、はじめに田中富弘会長の開会の言葉から始まった。各講義の表題は次の通りである。 

 

1.韓民族選民大叙事詩概要

2.天の父母様が選択した韓民族とその根

3.天の父母様を中心とする信仰と文化

4.独り娘誕生の基台

5.独り娘啓示と真の父母顕現 

 

なお、叙事詩は、13のテーマと63の小テーマにまとめられ、冊子、絵画、ミュージカルで表されるという。これら全体を統括するプロジェクト委員長が、天務院副委員長の鄭元周(チョン・ウォンヂュ)総裁秘書室長である。 

 

<第一講座ー韓民族選民大叙事詩概要> 

 

はじめに田中富弘会長の話しがあり、今回の講義を通して韓国歴史の心情的ストーリーを学び、天の父母様観、真の父母様観を知ることができると述べた。選民には摂理と目的があり、それは再臨主のお父様と独り娘のお母様の誕生で結実した。そして、真の父母が顕現されてからは、選民は特定の地域や限られた場所ではなく、祝福家庭が選民であると強調すると共に、来る4月13日の天苑宮入宮を勝利しようと呼び掛けた。 

 

その後、第一講座の「韓民族選民大叙事詩概要」の話が、天務院付属室TFT事務局長イ・ギシク氏からあった。なおイ・ギシク氏の配偶者は日本女性だという。 

 

天の父母(神)は韓民族を選んで準備され、純潔と貞操の徳、神に侍る民族性、孝情の文化、天孫思想と待望思想、ならびにキリスト教の伝統を育てながら、選民のアベル的民族性(明の歴史)を形成し、歴史的目的である独り娘(真の父母)を生む基台を作ってきたという。独り子(イエス)は誕生したが、独り娘は誕生しなかったからである。まさに人類歴史の目的は真の父母であり、これらアベル的民族性を相続した真の父母は、愛天・愛国・愛人思想、共生・共栄・共義思想を宣布した。そして、これら真の父母を生み出した韓民族のアベル的民族性を、書籍、絵画、ミュージカル(宇宙の母)で顕すという。 


なお、講師は、韓民族の歴史にも負(暗)の部分があったことを率直に認めつつ、なお天孫思想や待望思想を有する韓民族のアベル性(明)を強調した。また講師は、日本は再臨摂理のために準備され、アベル的民族性を形成したとも述べ、内村鑑三についても触れた。内村鑑三の韓国人弟子が劉孝元氏の師匠であったことを証したが、この内村の証は、内村贔屓(ひいき)の筆者には大変嬉しかった。実際、内村鑑三の集会に参加していた者の中に朝鮮人が78名もいたと言われ、当時学生だった金教臣(キム・ギョシン)は、帰国後、無教会の集会を立ち上げ、また「聖書朝鮮」という伝道雑誌を発刊した。そして内村は韓国について預言し、次のように語ったという。(参照→聖書の知識37ー内村鑑三の世界(2))

 

「将来余を最も良く理解してくれる者は或いは朝鮮人の中より出るかもしれない。聖霊を送られたキリスト教信仰が韓民族に根を下ろし、神は将来において、朝鮮人を用いて大いに日本人を教え給ふであろう」 

 

講師は全体の趣旨として、「摂理的観点から選民としての独り娘・真のお母様の誕生を準備した韓民族の歴史と選民としての使命を明らかにする」と述べたが、この趣旨自体は了としつつも、やはりバランスを欠き、また要らぬ誤解を招きかねないので、「真の父母様の顕現を準備した韓民族の歴史」とすべきと筆者は思料する。 

 

<第二講座・第三講座> 

 

第二講座「天の父母様が選択した韓民族とその根」と第三講座「天の父母様を中心とする信仰と文化」において、韓民族のアベル的歴史が、ルーツ、神話、思想、文化、愛国者など、多方面から論じられた。 

 

先ず、唯一神の観念を有するセム族が、西ではユダヤ民族に、東では韓民族に辿り着き、東夷族・韓氏王朝を樹立し、これが独り娘誕生の基台になったという。そして天の父母様に侍る信仰の根、即ち天に祭祀を行い、平和を愛する天孫思想を育て、これは檀君神話の弘益人間観に象徴される。ちなみに檀君神話とは古朝鮮の建国神話で、天孫の檀君が古朝鮮始祖になったという神話である。また、麻姑(まご)神話とバリ姫神話があるが、これは「女神」が啓示を受ける物語である。そうして、清州韓氏と南平文氏は神が準備した家系であるという。 

 

また仏教の弥勒思想、鄭鑑録・格庵遺録の預言書、東学と天道教の後天開闢思想などに見られるように、韓民族は天の父母様の国を待ち望んできた民族であり、また、沈清伝に見られる孝情と先祖恭敬、春香伝に見られる純潔と貞操の文化、即ち天の父母様に侍る文化と伝統を育てたというのである。 


更に、韓民族は白衣に象徴される平和と純粋を愛する民族であり、高句麗の第19代国王の広開土王、高句麗王国の重臣で隋の大軍を打ち破った乙支文徳(イッシブントク)、文禄・慶長の役で活躍した李舜臣、三・一独立運動で殉教した柳寛順などの愛国者を排出し、選民のアイデンティティーを守ってきた歴史があるとした。一方、世宗大王が作ったハングルや青磁・白磁に代表される優れた文化、天文学・印刷術・医学・農業技術などの発達した科学があり、韓民族の創造性が見て取れるという。 

 

<第四講座・第五講座> 

 

第四講座「独り娘誕生の基台」と第五講座「独り娘啓示と真の父母顕現」は、独り娘誕生の基台を民族的基台、キリスト教の基台、国家・世界的台の3側面から論じ、そして、文鮮明先生と韓鶴子女史の天宙的聖婚である1960年の子羊の婚宴をもって「真の父母顕現」とし、韓民族は選民としての役割を果たしたとした。以後、選民は祝福家庭に引き継がれる。 

 

独り娘のための民族的思想基台は、道徳的修行を奨励した仏教、社会秩序や倫理を強調した儒教、愛民精神を発展させた実学、儒・仏・仙の宗教思想を融合した東学を中心とした民族宗教などによって涵養された。特にお母様はタゴールの「東方の灯」の詩が好きだという。 

 

またキリスト教の基台は、李朝時代に宣教師無しで宣教された韓国キリスト教、平城リバイバルとペンテコステ聖霊運動、神霊的宗教の勃興(新イエス会・聖主教・腹中教)、そして通声祈祷、早天祈祷の創始者である吉善宙(キル・ソンジュ)や内村鑑三の復興などによって造成された。宗教改革を推進したカルバンは1536年にキリスト教綱要を出し、1543年に「教会改革の必要性について」という論文を皇帝に献上したが、この400年後に独り娘が誕生したという。しかし、ルターが宗教改革の元祖であることはいうまでもない。また李朝時代の苛烈なクリスチャン迫害については言及されていない。(参照→聖書の知識40ー韓国のキリスト教① 李氏朝鮮時代のキリスト教迫害と殉教、及び日本の統治時代のキリスト教)

 

更に三・一独立運動によって民族の自主性と「韓」精神の継承がなされ、大韓民国臨時政府樹立により、韓民族独立の世界的基台が作られた(1942年、中国国民政府が臨時政府を承認した)。また、韓国動乱と国連軍16ヵ国参戦は、世界を韓半島に注目させ、こうして独り娘誕生の国家的、世界的基台が造成されていったというのである。そしてお母様は、韓氏の流れ汲み、祖母、母と三代続く敬虔なキリスト教の伝統と啓示の上に立って1943年に誕生された。お母様は 純潔と貞操の印を押され、再臨主の花嫁なることを自ら決断して子羊の婚宴に臨み結婚されたという。この歴史の結実こそ真の父母の顕現である。 

 

【叙事詩受講に思う】 

 

以上が今回講義された骨子である。悲惨な歴史を辿り、世界から迫害を受け続けてきたイスラエル民族であるが、この民族はイエス・キリストを生み落とすことで、人類に最大の貢献を為し、選民としての使命を果たした。同様に、中国など周囲の大国から常に侵略を被り、悲惨な歴史を余儀なくされてきた韓民族であるが、真の父母を顕現させることで、選民としての役割を成就した。文鮮明先生は、「可愛そうな韓民族」と評されている。そしてこの真の父母を求めたアベル民族史を叙事詩として残すことは、大変意義があると筆者は思う。 

 

今回、13のテーマと63の小テーマで、冊子、絵画、ミュージカルで天苑宮に展開される韓民族アベル歴史の一大絵巻物であるが、おしまいに筆者の忌憚のない思いを述べることにする。 

 

いみじくもお母様が「創造の原則により、独り子が誕生したならば、独り娘が誕生しなければなりません」と語られた通り、独り娘誕生の前に独り子の誕生が前提となる。また、「再臨主はイエス様が果たせなかった神様の復帰摂理の根本を完成するために本然の赤ん坊の種として来て、イエス様が果たせなかった新婦を探し、真の父母になられ、万民を救ってくださるのです」(救援摂理史の原理観)とある通り、再臨のメシア・真のお父様と初臨の独り娘・真のお母様はペアである。 

 

しかるに、講義レジメには、当該叙事詩の趣旨として、「摂理的観点から選民としての独り娘・真のお母様の誕生を準備した韓民族の歴史と選民としての使命を明らかにする」と記載されており、あくまでも独り娘の誕生物語が強調されている。 

 

筆者は、歴史的に独り娘が如何に待望されてきたかの重要性や、特に天一国宣布以降、お母様が一人で摂理を牽引されてきたという事情を認識しているものであり、また独り娘として誕生したお母様を受け入れ評価することにおいて人後に落ちるものではない(参照→つれづれ日誌 令和2年8月23日 韓鶴子著「平和の母」を読んで 特別コメント①)。しかしペアの原則からしても、あるいは独り娘の前提となるのが独り子・真のお父様である故に、韓民族の歴史と選民としての使命がむしろ「再臨主・お父様の誕生」であったことも忘れてはならない。本年4月13日の天苑宮入宮式は、天の父母様を名実共に地上に迎える一大行事であるが、この天苑宮の絵巻物が、片手落ちになって「画竜点睛を欠く」ことにならないよう、特に、韓民族選民大叙事詩全体を統括する天務院副委員長の鄭元周氏、ならびに講師諸氏に、老婆心ながらこの場を借りて強く要望したい。 

 

以上、韓民族選民大叙事詩セミナーに参加して、その内容骨子をまとめると共に、筆者自身が感じたことを率直に述べた。ここで述べたことは、あくまでも、現時点での筆者の個人的感想であり、いかなる公式文書ではないことを確認する。読者の真摯な異論・反論は歓迎する。(了)       牧師・宣教師    吉田宏



上記画像*トランプ大統領就任式、 内村鑑三の写真  乙支文徳肖像画

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   吉田 宏

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